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私の仕事、雑用ばかり?
組織の中で仕事をしていると、「私の仕事って雑用ばかりだな…」と感じること、ありますよね?
そう感じているあなたへ、「自分の仕事の捉え方を変えるヒント」を感じた、私の体験談をお伝えします。
見回せば、自分と同世代の人々は、
- なんだかとても責任ある仕事をしている(ように見える)
- 立派な役職がついている
- ケタの大きい売上数字の話をしている
- よく出張に行っている
- ものすごく難しそうなシステムを操っている(ように見える)
など、大変そうながらも充実している様子。
そんな様子を見ながら、「私はたいした仕事してないよな…」と感じている人って、実は世の中の女性にけっこう多いと思います。
私も、秘書の仕事を始めてまもない28歳の頃、同じように思っていました。
「28歳の頃」とハッキリ覚えているのには理由があります。
私は新卒で旅行会社に就職しました。
華やかに見える・聞こえる業界で、私自身もそれに流されて入った感は否めないのですが、現実の裏方仕事はかなりハード。
人にはとても恵まれましたが、数年間、来る日も来る日も、他人のフライトやホテルやレンタカーを手配し続ける毎日。
そのうち、「やりがい」などという言葉などでは片付けられないレベルの忙しさ・仕事量に追われることになり、まさに、「心」を「亡くしていく」のが自分でわかるほどでした。
もう限界… 抜け出そう!

「もう限界。抜け出そう!」と思ったタイミングと、昔、旅行で訪れて以来、「住んでみたいな」と思っていたオーストラリアでのワーホリに行けそうなお金がたまったタイミングが重なり、26歳の時に日本で働いていた会社を辞めて出発しました。
それから約1年半、オーストラリアとニュージーランドで生活をし、現地の旅行会社で職を見つけて働いていました。(日本人が自分1人という環境で、とても英語には苦労しました 汗)
帰国する前には、約3か月間、その日の宿も決まっていないようなバックパッカー旅行をしたり、オーストラリアンオープン(テニス)やメルボルンカップ(競馬)を観たりと海外ゆるゆる生活を満喫しまくった後、28歳で引き上げて日本の実家に帰ってきました。
もう、「がんばって働く」なんてできない

オーストラリアでの、完全なる”ゆるゆるライフ”にすっかり慣れきっていた私は、日本に帰ってきてからも昔のように「がんばって働く」気など一切なし。
帰国を知った昔の上司から「戻ってこないか」とありがたいお誘いがかかるも、
「完全に脱力しきってる今の私にはあの頃のようなストレスはキツイな。
それに、あれほどのストレスにさらされて必死に働かなくたって生活できる程度のお金は普通に稼げることを知ってしまったんだよね。
夜遅いのが続くのとかも、若くて体力がある時しか無理だろうし。
しばらく実家に住めばいいし、リハビリがてら、どこか家から近いところでゆるぅぅい仕事でいいや。」
と、復帰のお誘いを断り、全く別の職を探しました。(若さ故。。。)
新しいことをしよう

「新しい仕事を」と探して見つけたのは、全くなじみのない業界での、えらい人のアシスタント(=秘書)の仕事でした。
実家からも近く、残業も少な目とのことで好都合。
今思えば、職種未経験で「ゆるゆるで働きたい」なんてナメたことを言っていた私を雇ってくれた当時の上司には本当に感謝です。
さて、「秘書」というと聞こえは良いかもしれないのですが、その時の仕事の実態は私にとっては「雑用オンパレード」でした。(この”私にとっては”というのが後から大きなポイントになってきます)
- 経費精算
- 資料作成
- 予定管理
- 出張手配
- 会議設定
- 会食手配
- 慶弔対応
- 海外Visitor来日対応
…これ、難しそうに感じますか?
私とっては、資料作成以外は全て、とてもカンタンに感じることなのです。
▼経費精算:
自分のお財布管理の延長線ですよね。
▼予定管理:
もともと、旅行会社で時間を組み立てる仕事をしていたので余裕です。
▼出張手配:
できることなら自分でサクっと予約端末叩いて全部予約したいくらい簡単。
▼会議設定:
必要な人の予定を合わせて調整して会議室予約してInvitation送信すればいいんでしょ?
▼会食手配:
食べることが大好きだからおいしいお弁当見つけるのも接待のお店を探すのも苦にならないで楽しめる。
▼慶弔対応:
詳しいわけではないけれど一般的なことはわかるし、あとはネットで調べればだいたい解決するでしょう。
▼海外Visitor来日対応:
何か手配してとか、XX連れてってとか、●●食べたいとかですよね。むしろ細かいことにうるさい日本人対応より楽かも。
…そう、私にとってはカンタンなこと、言葉は悪いですが「雑用」に感じることばかりだったのです。
そして、カンタンだと感じることはすぐできてしまうわけで、「ゆるゆるお仕事ライフ」がしばらく続きました。
でも人間、不思議なもので、最初は「ああ、気楽でいいわ~」と思えていたゆるゆるお仕事ライフも、いつの日からか、「ものたりない・つまらない・やりがいない」ものに変化します。
置いてきぼり感を感じる日々

「ものたりない・つまらない・やりがいない」と毎日感じている私。
そんな私の近くで、当時の上司であったYさん含め周囲の方々は、日本語のはずなのに私が聞いても全く理解できない、(私にとっては)チンプンカンプンなシステムやら物流やらの話を毎日のように繰り広げています。
ますます私の「置いてきぼり感」は募りました。
そんなある日、社内で私に良くしてくれていた10歳くらい上の女性とじっくり話す機会があり、グチりました。
『なーんか、Yさんの経費精算とかで領収書ペタペタ貼りながら、思うんですよねー。
「なんで私こんなことしてるんだろ」って。こんなの、Yさん自分でカンタンにできる事務作業ですし…。
私、雇われてる意味あんまないですよね。
この業界のこと全く知らないですし、会議だって自分で必要な人呼べばいいわけだし。
お店だって色々行ってるから私より知ってるだろうし、予約なんて電話すればいいだけだし。
Yさん、英語もペラペラだからVisitor来ても困らないし、備品必要なら総務に相談すればいいし、自分の予定は自分で管理できるだろうし。別に私、いる必要ないですよね。』
するとその人は私にこう言いました。
『YさんにはYさんがもらってるお給料なりの仕事に集中してもらう必要があるから、その時間を確保するために、たえみさんが雇われているんじゃない?
“YさんのことだけどYさん自身がやらなくてもいいこと”をたえみさんがやれば、Yさんはその分、高給取りなりの仕事に集中できるからさ。
それに、自分では”カンタンなこと・雑用”みたいに思っていることでも、他の人には案外難しいことだったりするかもよ?
たえみさん美味しいお弁当探すの上手だし、Yさんが客先に持っていく手土産とかもよく買いに行ってるから詳しいじゃない?あと出張の時のVISAのこともよく知ってるし。
「あの人が手配するお弁当は美味しい」「手土産のことはあの人に聞こう」「VISAとるのに必要な書類のことはあの人が詳しい」とか思ってもらえたら、それでいる意味十分にあるんじゃない?』
なーるーほーどぉぉぉ・・・
「雑用」だと決めつけていたのは自分

…当時28歳の素直だった私(笑)は、そのひとことに、とても救われました。(素直と言うか、おめでたいと言うか)
そして、「そっか、雑用だと勝手に決めつけていたのは自分だったんだ」と気づき、その日から自分の仕事を卑下するのをやめました。
あれから約10年。会社や上司は変われど、私は今も同じような仕事をしています。
先週、私が一番時間がかかった雑用仕事のひとつは、上司が新幹線かタクシーに落とした(と言い張る)iQOSの大捜索。(もう勘弁して…)
THE・大いなる雑用です。
結局見つからずじまいでしたが、「本人があちこち電話して探す時間」は無駄にせず済んだのだと思います。(…後から「やっぱりバッグの中にあった」とか言ってくるパターンな気がして仕方ない私。)
人にはそれぞれ得手不得手・役割がある

自分では ”誰でもできるカンタンなこと” だと思っていることも、案外、他の人にはできないことだったりします。
ちなみに、例えばこんな方々は、「私にはできないことをしているとてもスゴイ人」です。
- 接客業
- 水商売
- 営業職
- 屋外で働く人
- 運送業
- 1日中立ちっぱなしな人
- 多くの時間をEXCELと戦っている人
人には「できること・できないこと」「得意なこと・不得意なこと」があり、だからこそ色々な商売が成り立ち、世の中が回っているんですよね。
あなたが雑用だと思っていることにも、何かしら、意味があります、きっと。
自分の仕事を卑下するのは、今日で終わりにしませんか?
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