
自分にしかできない仕事がしたい?
最近、「自分にしかできない仕事をしたい」という方が多いようです。これは、雑誌等で実態がよくわからない職業の人達がやたらオシャレに紹介されていたり、昨今の老若男女問わない起業ブームだったりが背景にあるのかもしれませんね。
でも、本当にそうですか?自分にしかできない仕事がしたいですか?
私は、むしろ逆で、「自分にしかできない仕事はしたくない」と考えながら働いていて、これがけっこう快適なのです。なぜなのか、理由をお話したいと思います。
これが私の理想形

私の理想はこうです。
- 私が突然倒れても、仕事も組織もお金もちゃんと回っていく
- 休む時は一切仕事の連絡は来ない/しない&何も心配しなくて良い
- 休む時は、誰かがどうにかしてくれる
本当にこれが理想♡
だから、自分しかできないと困るんです。自分しかわからないと自分の首をしめてしまうのです。
「私がいないとダメ」は思い上がり

- 私がいないとダメ
- 私がいないと誰もわからない
- 私がいないと進まない
私が私が私が私が私が私が私が私が・・・
いますよね、「大変さ」をまき散らしつつ、「私アピール」をしている人。
でも、組織というのは不思議なことに、ハッキリ言って誰がいなくなったってどうにかなります。
例え、どんなに重要な人が明日から突然来なくなったとしても、誰かがどうにかします。しばらくの間は大混乱になったとしても、数か月後には笑い話になるくらい、どこかで誰かがどうにかするのです。
会社という船は、人という「歯車」がたくさん重なり合っている場所であり、どこかの歯車が抜けたり壊れたりしたら、船頭さんの指示で新しい歯車に変えたり、どこかから持ってきたり、新しく買ったり、しばらくその歯車なしで耐えたりして、なんとかカバーして沈まないように進んでいくものなのです。
だからこそ、安心して休めたり、安定した利益を確保して、利益に貢献した人たちに分配し続けられるのです。
歯車になるのはイヤ?

歯車になるのはイヤですか?
でも、よく考えてみてください。「会社」というくくりで考えなかったとしても、人間は、必ずどこかで社会の「歯車」になっています。
自分でビジネスを始めて、どこかの会社やお客様と取引が始まれば、取引方法・対応方法・時間や場所など、相手の都合に合わせる必要が出てくる場合もあるでしょう。
大きなお金を動かして、金融市場で大儲けして大金持ちになったとしても、数年前のリーマンショックのような事態がおきれば、事態は一気に変化します。
結局、「経済」という大きな怪物の一部=歯車であることに変わりはないのかもしれません。(そして、個人的には、私の知る限り、大きなお金を動かしている人ほど常にそのことを考えていて、本当の意味での「心の自由」がないように感じることもあります。)
さらに、家庭に戻れば、家族の中で「妻」だったり「母」だったり、「一家の大黒柱」だったり。たとえ独り身の人も、完全に社会から切り離されて生きるのは無理で、やっぱり、社会の一部(=歯車)です。
私が「歯車」を肯定するワケ

私がここまで「歯車」を肯定するのにはワケがあります。
幸いにして、私の周りには、優秀な「歯車」さんたちが多いと感じているから、「歯車」に対して悪いイメージがないのです。(もちろん、たまにポンコツもいますが)
優秀な「歯車」さんたちは、それぞれの役割をきちんと果たしていて、常に一定の質が保証されるので、尊敬できますし、何かを一緒にやる時にとても「仕事がしやすい」と感じるのです。これは、職種や稼ぐ金額の問題ではありません。
会社員として組織の中の一部であることにより、多種多様な役割を持つ人達と関わることができるのは、普段、あまりにも当たり前で忘れてしまいがちですが、実はとても貴重なことだと思います。
少し話が逸れてしまいましたが、このように、私自身は、会社という組織の中である程度のルールに則って、安定を担保されたままが1番自分の良さを発揮でき、気持ちが落ち着いてHAPPYでいられると感じています。
だからこそ、自分の仕事を「自分にしかできない仕事」にせず、必要な時はフォローしてもらえるよう、これからもリスクヘッジしていきます。
そして、私の考えが全ての人に対して正しいとも思いません。
人それぞれ、「落ち着く」「楽しい」と感じる環境や立場は異なるので、大事なのは、色々な意見を参考にしつつ、他人や流行に流されすぎず、自分に合うスタイルを見つけていくことですよね。